【No.11】R1100RT(1998)
- 年式/1998
- 走行距離/78,000km
- BMW歴/15年
- 乗り継いだバイク数/20台
- 掲載日/2016.04.05
愛車の気に入っているところ
現在のバイクのデザインから失われてしまった品の良さとバイクという乗り物のセクシーさを兼ね備え、市場投入されてから既に21年経過しながらも、その色気をいまだに放っている。それどころか、近年、ますます冴えわたって見えてきた。あと20年もすれば、かつてのアストンマーティンDB5のような貴婦人に成長するような気がする。デザインに敏感な年配者、とりわけ女性から「こんなカッコいいバイク、見たことない」といきなり声をかけられることが多い。その回数が本当に増えてきた。
意外にトルクがあって、ボクサーツイン特有の粘るような盛り上がり感を楽しめる。走り出すと軽く感じるし、ホイールベースが1485と短いので小回りがきき、並み居る400ccクラスのバイクよりも操作性は高い。長旅へ出ても、ほとんど疲れ知らず。タンデム走行したり、キャンプ用荷物を積んだりしても、荷物を積まない一人乗りのときと、操作感がほとんど変わらない安定感はすごい。センタースタンドの掛けやすさは、200kg前後のバイクのそれと比べても遥かに優れ、装備重量で282kgある車体が軽々と上がってしまう。
パーツの良さは、他に類を見ない。しかも、センスタを掛けるときに利用する可動式のレバーが非常に有能かつ美しいデザイン。最近のバイク生産に見られる、コストダウンによる安っぽさをみじんも感じられない。贅沢な製造が可能であった時代のクラフトマンシップが存分に活かされた名車である。
愛車の不満なところ
馴染んでくると、欠点と思われていた部分が、まったく気にならなくなってくる不思議なバイクだ。敢えて言えば、車載スピーカーはさすがに現在では使い物にはならないことと、樹脂製のサイドカバーを本体のブッシュにはめ込む突起やツメが弱く、経年劣化で早々と折れる場合が多いこと、くらいであろうか。重いだの、エグゾースト音が貧弱だの、高回転のノビがないだの、あまりにも凡庸で飽きるだの、それらはみなこのバイクの個性に属する問題であるように思う。
これからBMWを買う人へのメッセージ
昭和戦前の時代から100年近い間ずっとボクサーエンジンを造り続けてきたBMWは、ヨーロッパ人が広大な大陸をバイクで旅をするとはどういうことなのかを、現実的にも哲学的にも知り尽くしているように思います。Rエンジンのバイクとは、そういう開発史と意識を内包している乗り物ですから、とても奥が深いと思います。開発の歴史が浅い、KやFやSの各シリーズとはやはりワンランク違う魅力を持っています。どんなバイクだって、乗って楽しければそれで十分ですが、BMW Motorradにおける別格本山であるRシリーズは、バイク愛好家ならば一度は味わっておきたい領域ではないでしょうか。
もう1台BMWを持つなら
K1100LTあるいはR1200RS
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R1100RS(1994)
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