水冷並列4気筒エンジンにチェーンドライブ、フルカウルに前傾姿勢のライディングポジションと、BMWバイクとしては初のスーパースポーツとなったS1000RR。F.R.P.やカーボンパーツを得意とするEIGHTでは、才谷屋ブランドとしてその外装パーツをリリースしており、クオリティの高さにオリジナリティも加味された魅力的な製品に仕上げられている。
F.R.P.やカーボンを用いたボディパーツを中心に展開していたパーツメーカーが「才谷屋」であった。しかし、その事業組織としての才谷屋は諸般の事情により、2013年9月で解散となった。だが、ブランドとしての「才谷屋」は残り、旧才谷屋のスタッフとして手腕を発揮していた金田哲幸(かなたてつゆき)さんが新会社EIGHT(エイト)を立ち上げ、製品の生産を継続している。
「旧才谷屋のポリシーでもあった“他メーカーには無い、オリジナリティを発揮した物を送り出す”は、これからも持ち続けていきます。ナンバー1よりもオンリー1であり続けたい」とは金田代表。その好例の1つが、CBR250RR用600RRレプリカカウルだろう。それは旧いレーサーレプリカに新たな息吹を与えるプロダクトとして、多大なインパクトを与えて迎えられた。さらに、’12年までのニンジャ250RをZX-6Rの顔付きに変更するアッパーカウルもリリース。スクリーンとサイドカウルから下の部分にノーマルを使用することで、比較的安価にフェイスチェンジが楽しめる製品となっており、若い世代へバイクの楽しさを提案する狙いもあってのことだ。
才谷屋ブランドとしてのオリジナリティやクオリティは変わらず、それをさらに進化させ、深化もしていくことが、EIGHTのテーマとなっており、それは製品の1つ1つに込められている。
バックボーンとなっているのが高い技術力、特に造形力にある。先述のCBR250RR用600RRレプリカカウルや、ドゥカティのパニガーレのルックをホンダNSFで再現した『ミニガーレカウル』、最新作であるヤマハR25用YZF-R1ルックカウルなど、排気量の大きなバイクのスタイルを、より排気量の小さい車両で再現した製品も多い。それらは、単にサイズダウンすれば成立する物ではない。時にはデフォルメも必要であり、またハンドルなどの干渉にも考慮しなければならないなど、クリアしなければならない課題も多いのだ。
しかも、それらを量産品として成立させなければならない。製品化には『型』が必要となるが、それには繰り返しの使用が可能な耐久性と、製品を抜き易い生産性も求められる。もちろん、製品の張り込み自体にも積み重ねたノウハウが必要なのは言うまでもない。
BMWバイクに関しては、S1000RR用の外装パーツをデビュー間もない頃から開発に着手、その気になれば才谷屋ブランドでのフルカーボン化も可能だ。
「アッパーカウルでは、ノーマルが1.32kg、当社製が1.14kgと数値としては大きくないですが、軽量化にもなります。製品の厚みを抑えればもっと軽くすることも可能ですが、そうすると強度の問題が発生してきます」と金田さん。「カーボンパーツに置き換える最大のメリットは、ルックスの変化が楽しめる点にあると思います。部分的にカーボンをあしらってみるのもワンポイント的な効果が得られます」
才谷屋ブランドだから、オリジナリティも加味されているのは言うまでもない。例えば、タンクカバーでニーグリップがしやすい形状とされており、ル・マンの耐久レースに参戦する高田選手のマシンにも使われているほどだ。またプレス製法が採られており、表裏共にツルツルの滑面にすることで、装着時にベースのタンクに傷を付けないような配慮もなされているのだ。送り出すからには妥協は決してしないのも、才谷屋ブランドだからゆえなのである。
才谷屋ブランドのパーツで外装をフルカーボン化されたS1000RR('15年モデル)を見てみよう。そのルックスの変化は一目瞭然、ノーマルとはまた違った迫力となっている。アンダーカウルなど、ノーマルのカウルと組み合わせられる製品もある。ペイントも可能であり、部分的に未塗装部分をつくってそこでカーボン柄を見せるといった手法もありだろう。なお、掲載されている製品は'15年モデル用であり、'14年以前のモデルに関しては、EIGHTのサイトで確認していただきたい。