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フリースタイルBMW 第3回「BMWをカスタムする楽しみ方」

フリースタイルBMW

イジって楽しむBMW
近ごろはカスタムも盛んです

BMW Mottoradの新しい一面をフィーチャーしてきたこの「フリースタイルBMW Mottorad」。 最終回となる今回は“BMWをカスタムする”楽しみ方について紹介しよう。従来のBMWもカスタムを楽しむオーナーはいたが、どちらかというと「より快適に」をテーマにしたカスタムが中心だった。パニアケース、NAVIシステム、ポジション変更など…。BMWの持つツーリングバイクのイメージがあったため、こういった楽しみ方が中心になるのはアタリマエ。しかし、新機軸のBMWの登場とともに、カスタムの楽しみ方も変わってきた。

積極的にパーツ開発を進める国内ショップもあり、ヨーロッパやアメリカなど海外から入ってくるパーツの種類も増えつつある。エンジンなどはバランスが取れたBMWはイジる”必要性”はないが、スタイルを変化させるカスタムはいつの時代もオーナーを楽しませてくれるもの。最近登場した「K1200R」、「F800S」などスタイリッシュなモデルであれば、少しカスタムパーツでドレスアップして見せるだけで雰囲気は一変、オリジナリティのあるモデルへと変貌する。今回はおなじみクラフトの滝本氏が手がけた2台のカスタムをお手本に「カスタムする喜び」に注目してみよう。もちろん今回もバイクにまったく偏見のない渡辺りえこちゃんに登場いただき、カスタムされたBMWについて率直にコメントをもらった。

BMWだってオシャレしたい
カスタムの世界を紹介します

滝 本●久しぶりだね~。ちょっと雰囲気が変わった?

りえこ●イメージ変えてみました(笑)。滝本さん、今日はどんなBMWを見せてくれるんですか?

滝 本●今回はね、カスタムされたBMWを見てもらうんだよ。メーカーが作るBMWもオーナーの好みでアレコレと変化させて楽しむことができる。それを知ってもらいたいと思ってね。

りえこ●女性がファッションや髪型にこだわる、みたいなカンジ?

滝 本●そうそう、そんな感じ(笑)。見た目も変えられるし、性能も変えられる。そうやってBMWで遊ぶ人も最近は多いんだよ。

りえこ●オシャレは大好きです♪ 前回乗せていただいたBMWもカッコよかったですけれど、アレもオシャレされてたんでしたっけ?

滝 本●K1200Rね。アレは僕の自慢の1台。今日はどこをどんな風にカスタムしているのか、ちゃんと説明するね。説明しないとわからないでしょう?

りえこ●わかりません(笑)。「カスタムって?」ってトコから教えてくださいっ。

楽しく走るためのテスト車輌
カスタムされたF800S

滝 本●まずはこのBMW、F800Sね。ウチはBMWでもっと楽しくスポーツできるよう提案しているんだけど、コレはその1台。サーキットで速く、楽しく走れるように実験中のバイクなんだよ。

りえこ●レースで走るバイクなんですね。だから、前と後ろに青く数字が書いて…ある?

滝 本●正解(笑)。レースで走るためにはヘッドライトを隠して、ゼッケン番号っていう数字を書かないといけないの。エンジンの下に黄色いカバーも付いているでしょ? アンダーカウルと言ってレースには必要なパーツ。空気抵抗をよくするためと、もしエンジンからオイルを吹いたときに地面を汚さないためにあるんだ。BMWのエンジンは丈夫だからオイルを吹くことなんてないけどね。

りえこ●レースで走るバイクって特別なんですよね? F1で見ました。エンジンなんかも特別製なんですか?

滝 本●そこまでは触らないよ。エンジン制御をしているコンピューターは変更しているけれど、あとはノーマルのまま。もともと出来のいいエンジンだし、BMW同士で争うレースだからね。エンジンよりも注目して欲しいのはブレーキかな。サーキットでは一般道と比較にならないほどスピードを出すから、ブレーキを強化しないとダメなんだよ。

りえこ●なるほど。ところで、このバイクに付いているパーツは一般の人も手に入るんですか?

滝 本●もちろん大丈夫。僕がレースをやっているのはサーキットで試したことをお客さんのBMWの楽しみ方にフィードバックしたいから。だから、できるだけ誰でも取り付けられるモノを取り付けるし、特別に作ったモノも良ければ販売しているんだよ。

りえこ●特別に作ったパーツってどれなんでしょう?

滝 本●排気ガスを出すこのマフラーだね。非常に軽いチタンでできていて、このバイクの性能をできるだけ引き出せるように形状とかも工夫してるんだ。デザインもカッコよく、性能もよく…いろいろ試したいからまだテスト中だけれどね。

りえこ●チタンって、ネックレスにして身につけると体にいいってヤツですよね。

滝 本●そうなの(笑)? バイクの世界では軽くて丈夫ってことでマフラーにはよく使われる金属なんだよ。マフラーをチタンにすることで車輌が軽くなって、スポーツ走行が楽しくなるんだね。

りえこ●アチコチがスゴク変わってるのはわかりました(笑)。何だかカワイイバイクですね~。

黒を基調に統一されたカスタム
K1200R Black Knightバージョン

りえこ●お、今度は前回の記事で乗せてもらった黒いヤツですね~。さっきのは“カワイイ”でしたが、コレは“カッコいい”という印象!

滝 本●全体をブラックで統一しているからね。大人が乗って楽しめるBMWにしたかったので、あえて落ち着いたカラーにしたんだよ。派手にしなくても充分に個性があるでしょう? ノーマルにはないカラーリングにするだけで、印象がガラっと変えられるんだよね。カラーリングを変えて遊ぶっていうのもカスタムの1つなんだよ。

りえこ●コレに乗せてもらった後、友達にこのバイクの写真を見せたんですが周りも「カッコいい!」って言ってました~。「BMWだよ」って説明したら驚いてましたよ(笑)。イメージと違ったみたいです。

滝 本●ありがとう。確かにコレ、評判いいんだよね。ウチでK1200Rを買ってくれる人は納車のときから、このカラーリングにする人が多いね。

りえこ●色以外にはどんなところを変えているんでしょう?

滝 本●ブレーキも変えてるんだけど、わかりやすいのはやっぱりマフラーかな。イタリアのレオフィンチっていうメーカーのサイレンサーなんだ。

りえこ●見た目は革みたいな模様があってカワイイですね。手触りは革とは全然違いますけれど…。

滝 本●革ね(笑)。カーボンっていう軽い素材を使っているんだけど、見た目がカワイイっていう見方もあるんだなぁ~。あ、あともう1つ特徴的なのがホイール。タイヤの内側にある丸い部品ね。

りえこ●何でそんなトコを変えるんですか?

滝 本●ノーマルみたいだけどちょっと違う、そこがコダワリってヤツなの(笑)。わかる人にはすぐわかるアルミの鍛造ホイールで足元もオシャレにしているわけ。デザインも最高なんだけれど、スポーツ走行にもちゃ~んと貢献してくれる優れモノのパーツなんだよ。

りえこ●こんなところまでバイクって変えちゃうんですね。ここまでやるのが普通のコトなんですか?

滝 本●コレはあくまでお店のデモ車輌だからね。普通は、お客さんがどこまでやりたいかにもよるけど。K1200Rは少しカスタムするだけでも、カッコよくなるからとことんやる必要もないかもね。走っても楽しいし、このバイクは僕の大のお気に入りだね。

BMWをもっと自由に
遊び心を持って楽しもう!

りえこ●ノーマルの写真と見比べたら…いろんな部品が変えられてるんだってわかりますね。私だったらK200Rを全部カーボン(?)の模様にしたいです!

滝 本●全部カーボン…それは…かなりお金がかかっちゃうね(笑)。でも、りえこちゃんみたいに自由な発想を持って、BMWで遊んでくれたら面白くなりそうだね。「BMWだからこうしなきゃ」なんてことは気にしなくていいんだよ。最近ウチに来てくれるお客さんはそういう先入観がない人が多いから、カスタムの相談も面白くってね。いざ実現しようとするのは大変だけれど「BMWの楽しみ方を広げてるんだ」と思うとスゴク楽しい。

りえこ●日本以外でもカスタムは盛んなんですか?

滝 本●アメリカではハーレーみたいなカスタムをしている人もいるみたい(笑)。お国柄もあるかな~。BMWの本拠地のヨーロッパでも遊び心のあるカスタムが盛んだし、これからは日本でもBMWで面白い表現をする人は増えてくると思うよ。そういう遊び方ができるBMWをメーカーがどんどん出してくれているし。

りえこ●BMWってもっと“難しい”バイクだと思っていました。だんだんと印象が変わってきましたね。

滝 本●バイクって趣味の乗り物なんだから、変な枠を作っても仕方がないでしょう? 週末に、休みの日を充実させてくれる楽しいオモチャ。確かに高級品だし、凝った造りをしているバイクだけど、BMWっていう素晴らしいキャンバスを個性溢れるモノにしたらもっと楽しめるんだよね。

りえこが振り返るBMWの世界

3回に渡ってBMWの世界を体験しましたが、BMWってバイクがあることから、BMWのカスタムまで、これまで知らなかった世界を楽しめました! 街でバイクを見かけるときも「あれはBMWかな?」なんて見るようになりましたから(笑)。R、K、Fですよね? こんなに種類があるのはちゃんと覚えましたし。たくさんあるBMWの数だけ楽しみ方もあるんだってこともしっかり理解してますよ。振り返ってみたBMWの印象を洋服にたとえるなら…カジュアルな服もあればカッコいいスーツもある、って感じです。オーダーメイドのBMWを楽しむ世界もあって、これから乗る人も長く楽しめそう。残念だったのはせっかく走っても、ずっと滝本さんの後ろだったこと。停まっているBMWに跨るだけじゃなくて、少しでいいから自分で運転してみたかったなぁ…。だんだん私もバイクの免許が欲しくなってきちゃいました(笑)

コメンテーター
渡辺 りえこ
兵庫県出身。オーディションを経てヴォーカルグループ「冒険団」二期生として活動する女の子。周囲にバイク乗りが多いため、バイクには興味津々。
ガイド

滝本 幸一

ボクサートロフィー参戦など、BMWでサーキット走行を楽しむMotorrad SHONAN Craft(神奈川県大和市)の店長。BMWといえばツーリング、という従来のイメージを塗り替えるため、ひたすらBMWでスポーツすることに情熱を傾けている。
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