初めてBMWに乗るライダーによる「R1200GS試乗座談会」
- 掲載日/2006年05月21日【特集記事&最新情報】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 文・写真/青木 タカオ
進化し続ける伝統のボクサーを搭載
世界が認めるサバイバルバイク
1980年の初代誕生から四半世紀、時代とともに常に進化し続けてきたGSシリーズ。その最新モデルが、1170ccの最新4バルブエンジンを搭載するR1200GSだ。「最強のツーリングバイク」と世界中のライダーから高く評価されるGSシリーズ。その魅力とは一体、何だろうか…。
いわゆる“道”と呼べるところなら、オンオフ問わずどこでも走れる能力を持ち、気の遠くなるような長距離ツーリングでも音をあげないタフなエンジンとサスペンション、どこまでも走り続けたくなる大きなフューエルタンクを装備。シートは体をゆったりと受け止めてくれ、荷物もたくさん積める。そして、軽快なハンドリングとパワフルなパワーユニットで、高速運航からワインディングまであらゆるステージで、スポーティなライディングが楽しめる。なんともオールマイティなバイクなのである。R1200GSは、エンジン・車体などすべてが新設計。世界中の道を走破するために、さらなる進化を遂げた。
車体の大きさにはじめは身構えましたが
乗ってみると軽快そのもの
HIROさん●道なき道をどこまでも走っていけるというGS。その存在は昔から知っていたし、BMWらしく左右に大きく張り出したボクサーツインエンジンを、3台の中では唯一搭載してて興味津々でした。ボクは、真っ先にこれに乗せてもらいました(笑)。
シバヤマさん●R1200GSを最初に見たときは、国産の大排気量車と比べても、とくに大きく感じました。正直、小柄なライダーにはちょっとキツイなぁって思いましたよ。ファーストインプレッションは、ただただデカイ。その一言に尽きます。
トモ・ヒコさん●ボクもそう思いました。普段、250ccクラスのスクーターにしか乗ってないボクには、クラッチ付きの大排気量車ってだけでもかなり緊張するのに、さらにとてつもなく大きくて、自分に扱えるかなって不安でした。だけど、K1200SやK1200Rにしばらく乗って、クラッチ操作とビッグバイクのパワーフィールにひとまず慣れてからGSに挑戦したら、楽しく試乗できました。ホッとしてますよ。
シバヤマさん●大丈夫かなぁと思いましたが、順番が回ってきたから思いきって乗ってみることにしました。というのも他の2台に乗ってみて、BMWは走り出せば軽快に操れるということが判ってきてたんだと思います。
トモ・ヒコさん●なるほど。K1200Sなんかも見た目はデカイけど、走り出しちゃえばガンガン走れちゃうもんね。
シバヤマさん●はい。まず、跨って感じたのが、足つき性はそれほど悪くないこと。スリムなシート形状で、大柄な車体にしては足つき性が良かった。跨ってしまえば、乗れるという確信が持てましたよ。
HIROさん●確かに、足つき性は悪くないですよね。座り心地を犠牲にしないで、足が地面に付きやすいよう、うまくシートの形状を考えてる。ポジションもゆったりして自然な感じ。ボクにはちょうどよかった。
シバヤマさん●シート高は840mmと860mmの2段階に調整できるそうです。機能的ですね。
トモ・ヒコさん●うん、うん。で、乗ったらどうでした?
シバヤマさん●ボク自身が乗り慣れてる4気筒エンジンと、だいぶ違和感があって、乗りづらいかもと心配してましたが、パワフルでスムーズ、そして扱いやすい。ボクサーツインエンジンって、もっと古めかしいフィーリングかなと思ってましたが。車体もすごく安定してましたね。
トモ・ヒコさん●2台のK1200もそうでしたが、走り出すとやっぱり軽快。水平対向2気筒エンジンって、もっと不快な振動があって、もたつく感じがするのかなって想像してましたが、振動はそれほどないし、軽やかでスムーズでしたね。スピードメーターを見ると、あっという間に速度が上がってましたよ。
HIROさん●“空飛ぶじゅうたん”って感じでしたよね。車体は安定しているし、目線が高くて気分がいい。クルマの屋根がよく見えるのも楽しかった。
シバヤマさん●“空飛ぶじゅうたん”、まさにその通り。車高が高くて遠くまで見渡せるっていうのは、安全性を考えてもプラスでしょうね。
HIROさん●左右に張り出したエンジンは見た目も独特だし、乗り味はどんなだろうって楽しみにしてましたが、低速からトルクがあってレスポンスもいい。低い回転域からトルクがあるから、すごく乗りやすかったですね。
シバヤマさん●そうですね。市街地を走るのも問題ありませんでした。スピードを上げると、ウインドスクリーンのプロテクション効果もわかった。高速巡航も快適でしょうね。
HIROさん●いいでしょうね。長距離を走りたい気分にさせてくれます。
オプションパーツも充実のラインナップ
長距離ツーリングするならベストな1台かも
トモ・ヒコさん●カタログを見ると「ツーリングエンデューロ」ってカテゴリーに分類されてますが、オフロードも行けるってことですよね。
HIROさん●そうは言っても、ハードな悪路は恐いでしょうね。まぁ、舗装路の終点がツーリングの終わりっていうんじゃなくて、その先の未舗装路も行けるよってことでしょうね。
シバヤマさん●おっしゃるとおりだと思います。オフロードをガンガン行くっていうのは無理でしょう。フラットなダートや未舗装路も走れるっていう感じですね。でも、先代のR1150GSよりも大幅に軽量化されたとのこと。排気量が上がったのに、スゴイことです。
HIROさん●GSのコンセプトは、長距離移動にあり、しかも道を選ばないこと。軽量化はそのまま走破性の高さに影響しますから、このモデルで性能は大幅にアップしてるってことですね。
シバヤマさん●エンジンも水平対向2気筒っていう基本構造は変えず、パワー面、環境面など、すべての面で進化しているそうです。前後サスのテレレバーやパラレバーは先進的だし、安全面に考慮したABSも付いてる。装備は最先端ですよ。
トモヒコさん●新設計エンジンや最新の装備を搭載してても、肝心なところはそのまま変えず熟成させて、信頼性を高めてる。ずっと昔から水平対向エンジンをつくり続けるBMWのやり方は共感できますね。HIROさん●そうですね。信頼性っていう面では間違いないでしょう。タフなエンジンと車体、R1200GSはそんなイメージです。最強の“サバイバルバイク”って言われるだけのことはありますね。
シバヤマさん●はい。エンジンや車体を眺めてると、頑丈そうですもん。もし購入したら、ずっと長く付き合えるでしょうね。
トモ・ヒコさん●スタイリングもやっぱり個性的です。大柄な車体もそうだけど、水平対向の2気筒エンジンにも目がいく。やっぱりBMWって、このエンジンって感じがするなぁ。
HIROさん●同感ですね。異径ヘッドライトを装備したフロントマスクも戦闘的でいいですよ。飾り気なく機能的な外観で、乗った感じもそうですが、ルックスも3台のなかでは一番いいなぁ。
シバヤマさん●ボクは市街地でのUターンや、押したり引いたりするのを考えるとGSはチョット厳しいですね。市街地中心に乗るボクのバイクライフでは、オーバークォリティな感じです。
トモ・ヒコさん●ボクもロングツーリングっていう使い道があるなら、かなり魅力的ですが、それほどバイクで遠くには行きませんからね。ただ、ツーリングを楽しむライダーには人気があるのも頷けます。
HIROさん●システムケースやタンクバッグなど、オプションパーツも豊富に揃ってますね。長距離ツーリングをする人には、大きな武器となる1台でしょう。
トモ・ヒコさん●うん、うん。街なかばっかり走ってたら、チョットもったいないバイクですよね。
参加者のみなさん
K1200S、K1200R、R1200GSの3台に試乗していただいた皆さんをご紹介いたしましょう。 みなさん、国産バイクのオーナーの方々で、BMWに乗るのは今回が初めて。
関連する記事
-
BMW愛車紹介
R100RS(1992)
-
BMW愛車紹介
R100RS(1992)
-
BMW愛車紹介
F800ST