第3回 駆動系
ついに登場したCシリーズは、意欲作だった C1 以来となるスクーターだ。これまでの BMW モデルとは一線を画し、アーバン・モビリティという新カテゴリーに投入されたCシリーズを、例によって世界一細かく解説していこう。
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無段変速 CVT(Continuously Variable Transmission)システム。さすがにプーリーサイズも大きい。
専用設計の SST(スペシャルツール)で分解していく。
こちらは自動遠心クラッチを分解している様子。これも大きい。
クラッチ内のウエイトローラー(ハウジング内で放射状に並んでいるローラー)も消耗部品のひとつ。
ベルトは日本の三ツ星製。CVT ベルトとローラーの交換は 20,000km 毎と指定されている。
エンジンから切り離した駆動系のハウジング。終端には三軸のトランスミッション(減速)ギヤ。最終軸にドライブスプロケットが取り付けられる。スクーターでは駆動系の最終軸を後輪と同軸とするレイアウトが多いが、Cシリーズの場合は、アウトプットシャフトからスプロケット、ドライブチェーンを経て後輪を駆動する。現行のヤマハ TMAX と似たレイアウトである。
ギアボックスオイルはエンジンとは別で、40,000km 毎に交換。量は 250ml。カストロール SAF-XO が指定。このオイルを交換するためには排気系を外さねばならず、そのためにはラジエターも外さねばならない。
片持ちスイングアームはアルミ製のボックス構造で、内部に 525 サイズのドライブチェーンが通る。最終減速比は 1.687。後部がオイルに浸かっているオイルバス式。オイル量は 750ml で 20,000km 毎に交換、スプロケットを含んだチェーンキットは 40,000km 毎に交換。つまり、駆動系のメンテナンスは 20,000km 毎に行う。
ドライブスプロケットとスイングアームピボットはコアキシャル(同軸)にて設計されている。チェーンの張り具合はスイングアームの動きや角度に影響されず、常に一定である。
たるみ量のチェックは側面の点検窓から。基準値は 15mm。調整する必要があれば、ケースを開けて厚さの異なるチェーンスライダーを差し替える仕組み。ユーザーレベルではメンテナンスフリー。
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