第2回 R1200RT 電装系 その1
今回取り上げるのは、R1200RT と ST である。ここでは装備品が多い R1200RT をメインに、通称 PDI (Pre-Delivery-Inspection:納車前点検) 作業に加えて、新規採用されたメカやディテール、メインテナンス情報をできるだけ分かりやすく解説していく。オーナーおよびオーナー候補の方々も参考にされたい、ディーラーメカニックだけが知り得るニューモデルの細部を紹介していこう。
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エンジンコントロール・ABS・車体電装・メーターパネル等のユニットは CAN-Bus システムというネットワークでつながっている。ワイヤーハーネスが大幅に整理されたのはうれしい。メインテナンスは、後述する GT1 で行なう。
ホーンはボッシュの渦巻き型ダブルホーン。二昔前の FIAMM 製と比べると小さく軽くなった。
メーカーオプションのクルーズコントロールユニット。
オーディオボックスは右の前。横のフタを開けてオーディオユニットを取り付ける。最下部には内気循環用のファンが設置されている。オーディオが不要なら小物入れとして使える設計。
オイルクーラー部分には伝統のキドニーグリル。簡単に外せるかと思ったが……。
結局フロントカウルを丸ごと外さなければならなかったが、旧 RT より簡単だった。ヘッドライトはこのようにカウルにマウントされる。
オイルクーラーは旧型より横長で、冷却面積と容量を増やしている。油量や冷却フィンを増やし、カウル内の風通しを良くしたりと、旧型より冷却に気を配っている。エンデューロバイクで有名なオーストリアの KTM 社製。バイクだけを作っているわけではないのだ。
重いオイルクーラーやウインドスクリーンモーター、強烈な風圧がかかるカウル類を支えるため、カウルステーはかなり頑強なスチールパイプ製。旧 RT より太い。
メーターやスピーカーの配置と脱着方法を確認しておく。いったんカウルを外せば、アクセスは簡単。
スピーカーはドイツのオーディオメーカー HAES 社製品。旧 RT、四輪 BMW やポルシェも同じメーカーだった。メインスピーカーはコーン紙部分で直径 110ミリの4オーム、サブスピーカーは直径 25ミリの8オームでもちろん耐水構造である。
裏にはスピーカーボックスがあり、共振防止と音質向上のため合成綿が詰め込まれている。
メーター ASSY。もはや内部に機械的部品は無く、プリント基板のみ。照明やインジケーターは電球ではなく LED である。単なるメーターではなく、車両のフレーム番号や仕様地、工場オプションやカラーコードなど、車体個別データーが記憶されている。
こんなに薄くて軽い。オーストラリア (オーストリアではない) 製であった。
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