K100(1983-)
- 掲載日/2010年05月24日【年式別モデルカタログ】
- ※表記はメーカー発表の年です
K100(1983-)
BMW Motorradの新開発モデル
K100シリーズの登場
1983年にK100RS 2valveと同時発売となったK100は、フェアリングを持たないベーシックなスタイルで登場。エンジン、車体構成共にK100RS 2valveと同様。ボクサー・エンジンに取って代わる次世代エンジンとして開発された水冷並列エンジンは、排ガス・騒音対策、軽量化、簡素化という条件を踏まえた設計となっており、低重心化のためシリンダを水平に寝かせ、クランクシャフト軸を進行方向に置き、同軸方向に動力を伝達することでドライブシャフトへ最も効率よく動力を伝達する。この革新的なエンジンユニットも、既存のBMWイメージを持つモーターサイクル・ファンにとっては容認し難く、当時は全くと言っていいほど評価を得ることはなかった。しかし全てが新しいKシリーズのテクノロジーは後のモーターサイクルに活かされ、今では当たり前の装備も、遡ればこのモデルが市販車として最初に装備されたというものが多い。常に前衛的、斬新な製品造りを続けてきたBMWは、Kシリーズを世に送り出すことで、時代の流れに翻弄されながらも決して自分たちの製品造りを見失わないメーカーだということを証明したとも言える。
価格・スペック
最新の車両情報に関してはメーカー公式サイトをご確認ください。
- 発売時価格(税抜き)
- 170万円
- 生産期間
- 1983~1989年
- エンジン形式
- 4ストローク水平直列4気筒
- バルブ
- 1気筒2バルブ
- 総排気量
- 987cc
- ボア×ストローク
- 67×70mm
- 最高出力
- 90ps / 8,000rpm
- 最大トルク
- 86Nm / 6,000rpm
- 圧縮比
- 10.2 : 1
- 冷却方式
- 水冷
- バルブ駆動
- DOHCカムチェーン駆動
- 気化器
- 電子制御式燃料噴射(LE-ジェトロニック)燃料カットオフ機能付
- クラッチ
- 機械式・乾式単板
- ミッション
- 5速
- ギアレシオ
- 4.50 / 2.96 / 2.30 / 1.88 / 1.61
- ファイナルレシオ
- 2.81 : 1
- 点火方式
- LE-ジェトロニック
- オルタネータ
- 460W
- バッテリー
- 12V-20Ah
- 全長×全幅×全高
- 2,220×960×1,155mm
- ホイールベース
- 1,516mm(空車時)
- シート高
- 810mm(空車時)
- 燃料タンク容量
- 22L
- 車両重量
- 239kg(満タン、走行可能状態)
- 最高速度
- 215km/h以上
- 燃料
- 無鉛プレミアムガソリン
- フレーム
- 高剛性軽量スチール製チューブ・フレームエンジンブロックをフレームの一部として使用
- フロントサスペンション
- テレスコピック・フォーク
- フロントホイールトラベル
- 185mm
- リアサスペンション
- BMWモノレバー(モノショック)シングルスイングアーム
- リアホイールトラベル
- 110mm
- 駆動方式
- シャフトドライブ
- フロントブレーキ
- ダブルディスク (285mm)2ピストンキャリパ
- リアブレーキ
- シングルディスク(285mm)2ピストンキャリパ
- ブレーキパッド
- 焼付メタルパッド
- ホイール
- H字断面Y字スポークアルミ製軽量アロイホイール
- フロントホイール
- 2.50-18
- リアホイール
- 2.75-17
- タイヤ
- チューブレス
- フロントタイヤ
- 100/90 V18
- リアタイヤ
- 130/90 V17
Kヒャク2バルブ
1983年に登場したBMW Motorradの新たなシリーズ『K』 に搭載される、水冷4サイクルDOHC2バルブ水平直列縦置き4気筒エンジン。この排気量987ccの新開発エンジン・ユニットは、水平対向2気筒エンジン同様、他のどのモーターサイクルとも類似しないユニークな構造となっており、まずクランクシャフトは前後方向に置かれ、水平に寝かされた直列する4つのシリンダーもまた前後に並ぶ。したがってライダーが跨った際左足側にシリンダヘッド、右足側にクランクケースが配置される。出力はヘリカル・プライマリー・ギアを介してクランクシャフトからダイレクトにアウトプットシャフトへ伝わり、乾式単板クラッチからギアボックスを伝ってドライブシャフトを回転させ、後輪へと伝達。論理的にパワーロスの無いダイレクトな出力伝達を実現するこの『BMWコンパクト・ドライブ・システム』は特許登録されており、BMW Motorradの優れたエンジン・ユニットとして、その後のKシリーズにも継承されることとなる。最高出力90hp/8,000rpm、最大トルク80Nm/6,000を発揮し、非常に広範囲に渡る性能曲線は低回転時から高いトルクを発揮しつつ、エンジンそのものの軽量化と車体におけるマスの集中化、低重心を実現。さらにメンテナンス面においても合理的な設計となっており、車体から取り外すことなくエンジン全てのメンテナンス作業が可能。ボクサー・エンジンの限界を越えるために開発されたこの新型エンジン・ユニットによって、Rシリーズと並行してKシリーズという新たな高性能モーターサイクルの創出に成功した。
- 【前の記事へ】
K75RT(1989-) - 【次の記事へ】
R80RT(1984-)
関連する記事
-
モデルカタログ
K100RS 4バルブ(1989-)
-
モデルカタログ
K100RS 2バルブ(1983-)
-
モデルカタログ
R1200GSアドベンチャー(2010-)
-
モデルカタログ
R1200RT(2010-)
-
モデルカタログ
R1200GS(2010-)
-
モデルカタログ
K1100LT(1991-)
-
モデルカタログ
K1100RS(1992-)
-
モデルカタログ
K1200S(2004-)