R80G/S(1980-)
- 掲載日/2010年02月22日【年式別モデルカタログ】
- ※表記はメーカー発表の年です
R80G/S(1980-)
GSシリーズの祖となる
メーカー初のエンデューロ・モデル
1980年に登場したR80G/S(俗称:スラッシュ・ジーエス)は、オンロード/オフロード問わず、タフネスさとスムーズな走行性能を備えた全くの新開発モデル。現在では一般的な「デュアルパーパス」とは、そもそも G/S が世界で初の市販車として切り拓いてきた分野であり、他メーカーは追いかけるようにそのセグメントの開発に勤しむこととなる。長いサスペンション・ストロークとアップライトなライディング・ポジション、そしてこの分野としては驚異的と言える軽量ボディは、荒野を突き進み、悪条件の路面でもその先へ走って行くことが出来る。それがメーカーの考える G/S の楽しみであり、コンセプトとなっている。もちろんオフロード走行だけではなく、オンロードを長距離・長時間走ることも考慮し、当初から完全なレジャー・マシンとして設計された。車体の造り込みを見ればオンロード・モデルからの単なるバリエーションではないことは明白で、ペットネームである「G/S」は「ゲレンデ・シュポルト:山野を駆け巡るスポーツモデル」を意味し、走る場所を選ばない真のデュアルパーパス・マシンであることを表している。事実、過去にはクロスカントリー・レースや世界でもっとも過酷な砂漠のラリーレイド、パリ=ダカール・ラリーなど積極的に参戦し、数々の勝利を納めてきた。シビアなレースシーンで培われてきた技術は市販車へも惜しみなくフィードバックされ、中でも独自開発のリア・サスペンション機構であるBMWモノレバーは、耐久性、整備性、路面追従性など、多くのメリットを有する。G/S はその後「GS」と呼び名を変えてビッグ・オフロード・マシンとして定着し、その分野では他メーカーの追随を許さず、登場以来途絶えることなく、脈々と続くGSシリーズの源流となっている。
価格・スペック
最新の車両情報に関してはメーカー公式サイトをご確認ください。
- 発売時価格(税抜き)
- 135万円
- 生産期間
- 1980~1987年
- エンジン形式
- 4ストローク水平対向2気筒
- バルブ
- 1気筒2バルブ
- 総排気量
- 797.5cc
- ボア×ストローク
- 84.8×70.6mm
- 最高出力
- 50hp / 6,500rpm
- 最大トルク
- 56.7Nm / 5,000rpm
- 圧縮比
- 8.2 : 1
- 冷却方式
- 空冷
- バルブ駆動
- OHV
- 気化器
- ビング製キャブレター
- クラッチ
- 機械式・乾式単板
- ミッション
- 5速
- ギアレシオ
- 4.40 / 2.86 / 2.07 / 1.67 / 1.50
- ファイナルレシオ
- 3.36 : 1
- 点火方式
- エレクトロニック・イグニッション
- オルタネータ
- 280W
- バッテリー
- 12V-28Ah
- 全長×全幅×全高
- 2,230×820×1,150mm
- ホイールベース
- 1,465mm(空車時)
- シート高
- 860mm(空車時)
- 燃料タンク容量
- 19.5L(2Lのリザーブ含む)
- 車両重量
- 186kg(満タン、走行可能状態)
- 最高速度
- 168km/h以上
- 燃料
- レギュラーグレード(無鉛)
- フレーム
- スチールチューブ製ダブルクレードル・フレーム
- フロントサスペンション
- テレスコピック・フォーク
- フロントホイールトラベル
- 200mm
- リアサスペンション
- BMWモノショック・モノレバー・サスペンション片持ちスイングアーム
- リアホイールトラベル
- 170mm
- 駆動方式
- シャフトドライブ
- フロントブレーキ
- 油圧式・シングルディスク(260mm)
- リアブレーキ
- ドラム
- ホイール
- スポーク・ホイール
- タイヤ
- チューブ
- フロントタイヤ
- 3.00-21
- リアタイヤ
- 4.00-18
OHVボクサー
1996年に生産終了となったR80GS Basicを最終搭載モデルとし、BMW Motorradの登場以来改良と進化を続けてきた空冷4ストロークOHV2バルブ水平対向2気筒エンジン。排気量は時代やモデルによって異なり、最終形はR100シリーズのストローク70.6mm、ボア94mmの排気量980ccとなる。エンジンレイアウト、縦置きクランク、エンジン一体型ミッション、シャフトドライブ、エンジンからドライブユニットまでダイレクトに繋ぐ「コンパクト・ドライブ・システム」という基本的な設計は、1923年に初めてBMW Motorradとして世に送り出したモーターサイクル「R32」の時代から変わらず、オイル循環形式やプッシュロッドの配置、ガスケット、電装系や材質などなど、長い年月を経て細部にいたるまでさまざまな改良が重ねられ、BMW MotorradはOHVボクサーエンジンを主軸にモデルを拡充し続け、やがてR259系ボクサーエンジンへと移行する。シリンダヘッドカバーには丸みを帯びたクラシックなタイプと、アクシデント時に若干強度の高い角ばった形状がある。
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