HP2メガモト(2007-)
- 掲載日/2011年11月07日【BMWバイク中古車ガイド】
HP2メガモトの歴史など
HP2 シリーズ第2弾モデル
モタード・スタイルのボクサー・ツイン
3モデル登場した HP2 シリーズの中で、HP2 エンデューロの次に登場したのが今回ご紹介する HP2 Megamoto(メガモト)です。2007年11月から発売され、最終は2009年モデルまででしたが、販売店の店頭からは2011年夏ごろから少しずつ見かけることが少なくなりました。
発売当初は、ABS 無しモデルから登場いたしましたが、翌年から ABS 装備の(前後連動ではないタイプ)モデルも発売になりました。メガモトの基本カラーは青白のみでしたが、パイクス・ピークのレースにおいてメガモトが好成績を残したことにより、その時のカラーリング(青/赤/白)の BMW モータースポーツカラーを模した車輌も日本国内で40台が作られています。
メガモトの販売価格は、ABS 無しが2,525,000円、ABS 装備車が2,651,000円、レプリカ・カラーは ABS 無しが2,700,000円、ABS付が2,826,000円でした。先に販売されていた HP2 エンデューロにロードホイールを装着されて乗られていることも多く、またオンロード仕様ということで HP2 エンデューロを超えるご要望が多くなるか期待しましたが、モタード・スタイルと比較的高価格帯が影響してか、販売台数はエンデューロほど多いモデルとはならなかったようです。
HP2メガモトの特徴
妥協のない造り込みの HP2 シリーズ
モタード・スタイルとなってもそれは同様
HP2 メガモトの車体構成は HP2 エンデューロとよく似ています。ただし、よく似ているのはシンプルな造形とフレーム、燃料タンクだけと言ってもよいほどで、車体を構成する主要部品のサスペンション、エンジン、ブレーキ等はエンデューロとは全く異なります。
フロントフォークは一般的なテレスコピックタイプの倒立式ですが、適度に高負荷に耐えるオンロード走行の設定が施されています。ちなみにメガモトとエンデューロのフレームとフォークブリッジは同じ部品が使用されています。リアサスペンションには車高調整機能付オーリンズ製が装着されています。車高調整機能は車体の姿勢を調整するものですが、フロントフォークと同時に調整することにより、シートの高さをわずかに下げることも可能になります。なお駆動方法は他のRシリーズ同様にドライブシャフトが採用されています。
エンジンは R1200R の OHC タイプが搭載されています。車検証上のエンジン型式はエンデューロと同じ 122EF ですが、バランサーシャフト付きという点で異なります。バランサーシャフトが付くことにより、中~高回転域でのエンジン振動が激減しており、快適に高回転を維持した使い方が可能です。
ブレーキは前に4ポットキャリパーのダブルディスク、後に2ポットのシングルディスクと、オンロードモデルによく装備される仕様です。装備としては一般的ですが、軽量な車体で重量物が中心に集中しているため、ワングレード上のブレーキ操作感があります。なお、CAN-BUS 電装を装着しているため、不用意な社外電装品の取り付けは不具合を引き起こす危険性があるので注意が必要です。
車体は 203kg と軽く、さらに重量物のほとんどがライダー近くにあるため、車輌の取り回しはとても簡単です。シート高は 880mm と比較的高かく足付きは楽ではないのですが、ほぼ直立になる乗車姿勢と軽量な車体のため、停車時に緊張することは少ないはずです。ただし、固めのシートやスクリーンの設定が無いなど、割り切った仕様は好き嫌いの分かれるところです。
特徴的なフロントマスク
スポーツ・マシンの証
一際目立つスプリング
当時のカタログを見てみよう!
ボクサー・エンジンのパフォーマンスを存分に愉しむための
スーパー・スポーツではないもうひとつのスタイルを表現
中古車選びの注意点
量産市販車としてはデリケートな各部
これも HP2 シリーズならでは
メガモトで特に注意する点は、サイドスタンド、リアホイール用のハブ、バッテリーです。サイドスタンドは軽量化のため車体を支える程度の強度しか確保されていません。サイドスタンドを使用したまま体重を車体に載せたり、ハンドルを切ったりすると徐々にサイドスタンド自体が曲がる可能性があるので注意が必要です。
リアホイール用のハブはメガモトに限ったことではありませんが、リアホイールを固定するハブ部分にクラックが無いことに気をつけてください。ごく稀に固定ネジ部分から外周にかけてヒビ割れが見つかることがあります。
バッテリーは軽量化のために小型の12Aバッテリーを使用しています。長期間乗らなかった場合や冬場はセルモーターを回しきれなくなる事があるので、早めの交換や定期的なメンテナンスが必要です。
- ● フロントフォーク内のガイドブッシュが磨耗して異音やガタが出やすい傾向があります。
- ● リアキャリア下のフレームはアルミ製のため、重量物の積載や衝撃で変形することがあります。
- ● ABS装備の確認はホイール側センサーやハンドルスイッチで判断することも可能です。
- ● シートの脱着には専用レンチがあると便利なため、新車時付属レンチの有無を確認して下さい。
- ● 元オーナーの好みによってオリジナル塗装されていることが比較的多いので、標準色以外はよく確認してください。
1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。
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