K1200LT(1999-)
- 掲載日/2009年07月24日【BMWバイク中古車ガイド】
K1200LTの歴史など
BMW史上もっとも豪華なつくりの
ラグジュアリー・ツアラー
月日が経つのは早いものです。今回ご紹介するK1200LTの日本での発売は、1999年の4月でしたので、早くもまる10年が経過しました。発売当時の価格は欧州仕様のままで税別257万円、数ヵ月後には日本向けラジオに交換されて269万円、最終仕様のプレミアムラインでは283万円の販売価格でした。
K1200LTはK1100LTの後継機種になる存在だったのですが、車格と充実した装備から大きく・重量のあるモデルになってしまったため、K1100LTオーナーの乗り換えは期待されたほど多くなく、日本に限れば好調な販売とはなりませんでした。日本よりもBMWのステータス性が高く、広大な道路環境がある北米とでは状況が全く異なると思われます。
もし中古車として店頭に並べられているK1200LTがあったならば、その価格が新車と比較してとても手頃な価格なっていると思われます。商品としてのK1200LTが悪いわけではなく、その大きさと重さが災いとなっているようです。北海道の郊外で使うなら最高なのですが、都市部ではやっぱりこの大きさはそれなりの覚悟が必要です。そして、バイク駐車場では2台分近くの場所が必要となってしまいます。
K1200LTの特徴
巨大なボディには最先端技術が凝縮
優れた走行性能に贅沢な快適装備
K1200LTには、当時最先端をゆくBMWの機構・機能・装備のほぼ全てが詰まっています。外観からエンジンは全く見えませんが、K1200RS等と同じ縦置き水冷DOHC4気筒を搭載し、ツアラー仕様の特性に調整されています。当初は6,750rpmで98ps、トルクは4,750rpmで115Nmという低回転型エンジンでしたが、2004年モデルからは8,000rpmで116ps、5,250rpmで119Nmへとパワーアップされています。
前後サスペンションはBMW独自のテレレバーとパラレバーのお馴染みのコンビネーションです。重量車にはテレレバーのノーズダイブしないフロントサスペンションがとても効果的で、下りコーナーでのブレーキングでも車体は常に安定しています。トランスミッションは5速ですが、セルモーターを利用しての後進機能が装備されています。
スクリーンはワイパーこそ付いていませんが、電動での位置調整が可能。グリップヒーター、前後ヒートシート&バックレスト、高さ調整機能付きシート、4スピーカーオーディオ・カセット&CDチェンジャー付、小型懐中電灯、オートクルーズコントロール、ABS2又はフルインテグラルABS(前後連動サーボ付)、サイドバッグ&トップケース、トップケース内には照明灯と鏡等が標準装備されています。
2004年モデル以降には乗車したまま使用できる電動センタースタンド、仕様によってキセノン(HID)ライトも装備されています。車体左右には万一転倒した時のためにガードも取り付けられています。ちなみにサイレンサーの排気口は見た目と違い、地面に向かって90度向きが変えられています。
バイクとは思えないコックピット
パッセンジャーのためにも
もしもの時でも被害は最小限に
当時のカタログを見てみよう!
圧倒的なパフォーマンスで具現化した
BMWの新たなラグジュアリー・ツアラー
中古車選びの注意点
車体そのものはだいたい不安ナシ
外装と装備はしっかりチェック!
K1200LTは、その車両が持つ限界で使われることがほとんど無いため、単純に外装品の程度をよく確認すれば、ほとんどの場合安心です。ただし、オーディオの周波数違い、シートやグリップの断線不良、ABS機能の不具合、オンボードコンピューターや燃料系などの故障等、使ってみないとわからない部分が多いため、車輌購入時には保証の有無や仕様等を必ず確認しておくことをお勧めします。そして、リアブレーキディスクは覗き込まないと消耗度合いを見落とす危険があるのでご注意下さい。前後連動ブレーキ機能が装備されているインテグラルABS仕様車はリアブレーキも常時作動しているので、ブレーキパッドとディスク共に磨耗の具合を確認してください。
- ● ウィンドスクリーンは手入れ不足やケミカル類の使用でコーティング剥がれや白濁することがあります。
- ● ABSは年式によりABS2タイプとサーボ付フルインテグラルABSがありますので必ず確認してください。
- ● 重量車のため、使い方によりクラッチプレートが他モデルよりも早く磨耗する場合があります。
- ● 電動式センタースタンド装備車の場合、その作動に引っかかりが無く、スムーズであること。
- ● サイドバッグの蓋の密着度合いが均一で、節度ある開閉ができ、ロック機能が確実であること。
- ● 左右ミラー本体の取り付けがしっかりしていて、ガタつきが無いこと。
- ● 外装品は予想以上に高価な部品なので、できるだけ傷の無い、又はきれいに補修された車輌を検討する。
- ● インジェクションとABS装備の車両はBMW認定中古車を選ぶことで購入者様のリスクを大幅に軽減します。
1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。
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