VIRGIN BMW | K1(1989-) BMWバイク中古車ガイド

K1(1989-)

  • 掲載日/2009年04月28日【BMWバイク中古車ガイド】

K1の歴史など

K1の画像

突如現れた趣の異なるモデル
実用よりもスタイルか?

今回ご紹介するモデルは、2バルブから4バルブエンジンへ進化した最初のKシリーズ『K1』です。1989年に生産が開始され、日本での発売は1989年の7月になります。 発売の順序としてK100RSのそれまで発売しているモデルをモデルチェンジし、それから特別なモデルを発表するのが一般的だと思うのですが、いきなりK1ですから、当時は多くのライダーに驚きを与えました。発売当時の価格はABS無しが167万円、ABS付が182万円でした。その後1990年5月にABS無しが175万円、ABS付が191万円。同年12月にはABS無しが186万円、ABS付が203万円へと価格改定されています。一年の間に二度も価格が変わり1989年に始まった消費税導入の混乱ぶりがうかがえます。

早いもので発売からすでに20年となります。販売終了から数年後にはK1バブルといえるほど中古車の価格が高騰し、特にマラケッシュレッドは販売数が少なく、高値で店頭に並んでいた時期もありました。今では高額な価格帯の車両は無いものの、年数が経過していることもあって状態の良い車両を探すのはとても困難な状況です。

K1の特徴

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最大の特徴はそのスタイル
さらにマシン性能の向上も

K1最大の特徴はこのスタイルです。乗車姿勢はBMWにあってもっとも前傾姿勢を強めたモデルとなりますが、レーサーレプリカではなく、歴代モデルとも違ったフルフェアリングは古さを感じさせず、今なお新鮮なモデルとして見ることができます。特にステップ位置はK100RSと比較して踏み外すほど後退しており「ツアラーのBMW」とは大きく趣を変えた仕様です。

エンジンは後に発売されるK100RS4バルブにも使われたDOHC.水冷4気筒です。先代のK100エンジンと比べてシリンダーヘッドが2バルブから4バルブへと変更され、圧縮比も11:1に高められ、インジェクションをコントロールするコンピューターの変更により最高出力がドイツ国内規制の100HPまで高められました。さらにピックアップが早くなりトルク感重視からパワー志向のエンジンへと変貌しています。

動力性能の向上にともないサスペンションとブレーキが強化されています。フロントサスペンションはインナーパイプを太く薄くし、伸び側と縮み側のダンパー機能が左右のフォークに分けられています。リアサスペンションはR100GSやロードスターの流れを汲むパラレバーサスペンションが装備され、サブタンク付きのストラットが付けられています。

フロントブレーキディスクは305ミリまで大径化されたフローティングタイプで、異形4ポットキャリパーがダブルで装着されています。さらにK1最大の特徴はサイドバッグのオプションが設定されていないことです。この点はとても不評を買っていたようですが、このスタイルでサイドバッグは…。その代わりシートカバーを外して付けるシート専用のソフトケース(蓋を開けると三角板の印刷有)が用意されていました。

K1の画像

デザイン重視のコンパートメント

鍵付きの物入れが左右に装備される。稀に脱落、浸水するので要注意。
K1の画像

コックピットもゴージャス

ガソリン計、水温計、カウル右側の物入れ、カウル左側の各種スイッチ。
K1の画像

便利機能も一応備える

センタースタンドをかける時の取っ手です。使い勝手は良くありません…。

当時のカタログを見てみよう!

BMWの既存スタイルを逸脱した
ハイパワー、ハイスピードマシン

K1の画像
K1の画像

中古車選びの注意点

K1の画像

乗りたいなら妥協はしないこと
後の出費はかなり高くつく

K1の排気系はエキゾーストパイプからサイレンサーまで一体式の構造となっています。ここで注意することは、パイプとサイレンサーの接続部・溶接部分のひび割れです。パイプのような材質の薄いものを溶接で接合するのはとても高い技術が必要とされます。ひび割れていたら新品に交換したいところではありますが、部品代が20万円と聞くと、そう簡単に交換というわけにもいかないでしょう。さりとてお手軽に溶接できるわけでもないので、下から見上げて排気ガスの汚れが無いか、ひび割れが無いか良く確認してください。K1に限ったことではなく、同じ部品を使用しているモデル全てとなります。画像は正常・無修理の状態です。

購入の際の注意点
  • ● クラッチハウジング下の穴からオイルが垂れるほど漏れていたら要注意です。
  • ● ブレーキディスクは消耗品です。メーカーでは前後とも-0.5mmで使用限界となります。
  • ● エンジン前側下部のウォーターポンプからのオイル又は冷却水の漏れは必ず発生します。
  • ● 長期間放置された車輌は燃料ポンプが故障したり、ゴム部品がドロドロに溶けてしまうことがあります。
  • ● スイングアームとファイナルケース間からのオイルにじみ。ミッションから漏れていることもあります。
  • ● エンジンの稼働中の「ゴロゴロ」音はクラッチ周辺からの音で、新車時でも音は出ているので問題なし。
  • ● BMWのホイールは割れないように柔らかく作られているので、歪み、振れ、めくれに注意。
  • ● クラッチレバーの引きが重すぎるのはクラッチプレートの摩耗が原因。
  • ● 洗車や雨天時の使用でメーターが曇ることがありますが、数日で蒸発するので心配無用。
  • ● フロントフェンダーはゴムブッシュの噛み合わせがタイトで、数センチほどのひび割れが発生します。
  • ● メーカー製造時の不良で、クリアー塗装が悪いものがあり、表面に光沢の無い車両があります。
プロフィール
山本 栄治

1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。

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