K1200GT(2003-)
- 掲載日/2009年04月02日【BMWバイク中古車ガイド】
K1200GTの歴史など
旧Kシリーズの初代GT
中古車相場は高値安定
今回ご案内するモデルは、2バルブのK100RSから続く縦置クランクの水冷DOHC4気筒エンジン、BMW独自レイアウトの初代K1200GTです。2006年以降の横置クランクエンジンのモデルとは全く異なりますのでご注意下さい。
さて、この初代K1200GTは2003年前半に発売となりました。当時の販売価格は、インテグラルABSが装備されたK1200RSが210万円、K1200GTが232万円でした。KシリーズでツアラータイプというとK1200LTしか発売されていなかったので、発売当初は比較的好調な販売で「さすがにLTでは…」というユーザーに支持されていました。ところがその好調も永くは続かず、2005年モデルを最後に、輸入を止めました。また、メーカー生産期間も2002年から2006年までと、それほど長くはありませんでした。新車時の販売価格は比較的高価だったのですが、中古車での平均的な価格は、ほとんど130~140万円台という価格帯に収まっています。ただし、実際に購入されている車輌は120万円代前半からのものが多いようです。
K1200GTの特徴
ツアラー装備満載の超高速クルーザー
基本構成はK1200RSと同様
K1200GTはその名の通り、モデルとしては完全な「Grand Turismo」です。車体はK1200RSと共用されており、フレーム、エンジン、サスペンション、外装品の多くが同じ部品で構成されています。エンジンはK100時代から続く、BMW独自構造の縦置クランク水冷DOHC4気筒エンジン。排気量は1200ccで、GTとしては十分な130psを得て、低回転域からコントロールしやすいパワーとトルクを発揮しています。
フロントサスペンションにはBMW専売特許の「テレレバー」、リアサスペンションには片持ち式スイングアームの「パラレバー」を装備しています。サスペンションはRSと全く同じで、柔らかめの設定になっています。その他RSと同じ部分は、トランスミッション、ガソリンタンク(樹脂製・容量20L)、前後ブレーキ、前後ホイール、シート等ステップに至るまで全く同じものが使用されています。その中でGT専用の部分は、位置が高めに設定されたハンドル、大型で複雑な形状のスクリーン、カウルの左右上部に取り付けられたスポイラー、そして立体のエンブレムとなります。ハンドルはRSと異なり、固定式となります。また、車体色に塗られたサイドバッグとリアキャリア、シートヒーター、グリップヒーター、速度を一定に保つオートクルーズコントロール機能が標準装備さています。メーカーが用意しているアクセサリーのほとんどが装備されており、残すはタンクバッグとキャリアに付けるソフトケースや、サイドバッグ内に取り付けるネット程度。ツアラーに必要な装備が最初から備わっています。
効果的で豪華な装備
視認性は極めて良好
GT専用のスポイラー部品
当時のカタログを見てみよう!
ツアラーのみで満足しないユーザーへ
BMWから新たな提案
中古車選びの注意点
便利装備は特に確認を!
RSと見るところはだいたい同じ
K1200GT/RSを購入する上で必ず確認する必要がある箇所は、左右に振り分けられているラジエターの損傷です。派手に転倒した場合にはカウルと接するラジエターが歪んでしまうので注意が必要です。歪んでいても冷却水が漏れていなければOKなのですが、もちろん歪んでいない方が良いと思います…。この件はK1200RSのところで触れていますのでご確認下さい。 次にスクリーンの取付についてです。電動式のスクリーンは使用の過程でガタが出ているものがあります。手でスクリーンを引っ張り上げて、ガタの状態を確認してください。スクリーンの取付穴やヒンジ部分の緩み、あるいは電動で上下させる部品などの摩耗によって過度にガタが出てしまっているものがあります。
- ● この項目はほとんどK1200RSと同じです。バイクナンバーご確認下さい。
- ● クルーズコントロールが装備されているので、ハンドルポストの交換は慎重に。コントロールができなくなることがあります。
- ● シートヒーターは少し長めに跨っていないと暖かく感じないので、故障したと間違えないように。
- ● 取付不良による右側サイドバッグのインナー部分の穴あきに注意。タイヤと擦れて穴が開いているものがあります。
1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。
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