R1150RS(2001-)
- 掲載日/2008年04月01日【BMWバイク中古車ガイド】
R1150RSの歴史など
R1150シリーズの最終型
玉数少なく貴重なR1150RS
R1150RSは、R1150シリーズの中では最も遅い2001年10月に発売となりました。当時の価格は税別で185万円です。R1100RSと比較してわずか10万円の違いでしたが、サーボ付きABSと6速ミッションを装備していたので、お客さんの間では割安な印象で迎えられていました。ただし、R1100RSにはハーフカウルとフルカウルの仕様が用意されていましたが、1150になってからはフルカウルだけの発売となっています。なお、年式によりシングルスパーク・ツインスパーク・グリップヒーター・ジャンプスタート端子等が付いた仕様があります。
R1150RSが新車販売されていた頃はRTの人気が強く、販売数はRT、R、GS、RSの順だったと記憶しています。ですから、現在R1150RSの中古車を見つけようとすると探すのは少し大変かもしれません。下取り等で入るケースは少なくなりつつあり、良い物は早めに決断した方が良いでしょう。価格的には90万円の前半から140万円位と幅があり、外観の程度、装備品、走行距離、地域によって差が出るようです。
R1150RSの特徴
熟成極まったR1150RS
充実装備の隠れた名車
R1150系のエンジンはRS/RT系とR/GS系の2つに分けられ、それぞれにシングルスパークとツインスパークの仕様があります。ツインスパークはパワーやトルクに影響するものではなく、燃焼効率をあげて環境性能を向上させるためのものでした。スパークプラグの仕様はエンジンのヘッドカバーを見れば簡単に判別可能ですが、ヘッドカバーだけ入れ替えることもできるので、それだけで判断しない方がいいでしょう。前後のサスペンションはR1100RSを踏襲していますが、調整機能が新たに付け加えられています。
そして一番の特徴はサーボ機能を装備しているインテグラルABSの存在。RSにはパーシャリー・インテグラルブレーキという機能が付けられています。ブレーキレバーを操作すると前後のブレーキが連動して作動し、ブレーキペダルを操作すると通常のバイクと同様に後ブレーキだけが作動します。レバーを操作した場合は少しの力でも十分な制動力を発揮し、前後連動と相まって高速域でも安定したブレーキングが可能です。ただし、停止する寸前など、極低速走行での微妙なブレーキ・コントロールは少し慣れが必要となるでしょう。外装関係はR1100RSとほぼ同じですが、ウインドスクリーンは大型化されています。また、リアキャリアはRT用の物と簡単に入れ替えが可能。ミッションは6速で、6速目はオーバードライブのギア比となり、高速道路では燃費向上に大いに役立っています。なお、1150系のクラッチ操作は全て油圧式に改められ、軽い操作はオーナーから大変好評でした。
良好なウインドプロテクション
メーター周りは1100と共通
超強力なブレーキシステム
R1150RS オーナーの声
苦労して入手したR1150RS
オールラウンドな性能に大満足
以前にちょっとレアな「ラベルダ」のストライクというバイクに乗っていたのですが、高速道路のタンデム解禁を機に妻とタンデムツーリングがしたくなり、BMWのR1150Rを購入しました。ただ、スクリーンなどを装着してもウインドプロテクションだけは満足できず、1年ほど前にR1150RSに買い替えることを決心。ところが程度の良い中古車がなかなか見つからず、福田モータースさんに「R1150RSが入荷したら教えてね」とバックオーダーを出しておきました。
それでやっと購入できたのがこの2002年式のR1150RSなんです。実はラベルダに乗っていた時もBMWには試乗していたのですが、重心が低すぎてその扱いにはちょっと戸惑っていました。ところが、こうして自分の愛車として所有してみると非常に満足度が高い。特に今乗っているR1150RSは、ツーリングに良し、峠道に良しという感じで、程よくスポーティーな乗り味が気に入っています。購入時からササキのマフラーが装着されていたのですが、これが結構効いているようで、R1150Rと比べてもかなりトルクフルですよ。シートは滑りやすかったので、表皮とクッションにモディファイを加えていますが、それ以外は本当に不満の少ないバイクです。3段階にシート高が変えられるのも素晴らしいアイデアだと思います。ウインドプロテクション性能の高さはタンデムシートの妻からも好評で、これは狙い通りという感じですね(笑)。(2002年式 R1150RS 上田 茂さんご夫妻)
R1150RS 中古車選びの注意点
数少ないウイークポイント
しいて上げればリアブレーキ
インテグラルABSの制動は強力です。しかもABSが正しく機能しているときは、ブレーキレバーを操作すれば必ずリアブレーキも作動します。それゆえ、リアブレーキローターは比較的短期間で摩耗し始める傾向にあります。交換は簡単ですが、部品代は3万円弱が必要になります。特に街乗りなどが多い車両では予想以上のペースで摩耗が進行するので注意してください。メーカーが定めるリアディスクの使用限界は-0.5mmと極めて厳しい数字が設定されています。機能部品の内外見で判断できる部分は、前後サスペンションとブレーキ関係程度なので、必ずブレーキディスクはご自分の指で触って摩耗具合を確認してください。BMW認定中古車を購入する場合は心配ありません。
- ● バッテリーはいつも状態の良い物を必ず使用してください。ABSエラーの原因になります。
- ● BMWのキャストホイールは割れないように柔らかめなので歪みに注意して下さい。
- ● ブレーキやクラッチの油圧系統のフリュードにじみや漏れに注意して下さい。
- ● エキゾーストパイプとアンダーカウルの最接近部分の塗装が焦げることが希にあります。
- ● ABSユニットは27万円程します。必ず保証付き販売の車輌を選びましょう。
- ● 排気系は全てステンレス製ですが、清掃を怠ると錆びたようになりますのでご注意下さい。
1960年生まれ、91年式R100GSパリダカール所有。1983年に福田モーター商会に入社して以来、BMWに携わり続けている。毎年100台以上のBMWの下取り査定や中古車販売に携わっていて経験豊富。
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