2014 MFJ全日本ロードレース選手権 最終戦『第46回MFJグランプリ』BMW Motorrad編
- 掲載日/2014年11月07日【トピックス】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 取材・撮影・文/安藤 正和(Office25)
大観衆の前で好バトルを演じる酒井選手と寺本選手。
第1レースは酒井選手11位、寺本選手14位、武石選手24位
第2レースは酒井選手17位、寺本選手リタイア、武石選手リタイア
2014年の全日本ロードレース選手権の最終戦となる『MFJグランプリ』。BMWチームからの参戦は、酒井大作選手(CONFIA Flex Motorrad39)、寺本幸司選手(Team Tras 135HP)、武石伸也選手(CONFIA Flex Motorrad39)の3名。今季の集大成であると同時に、2レース制による大量ポイント獲得のチャンスとあって、3名のライダーには緊張感が漂います。
レース1は、ウエット宣言レースながらドライコンディションでのスタート。フライングで武石選手がスタートに失敗。酒井選手、寺本選手はウエットパッチが残る難しい路面コンディションながら11位、14位でそれぞれチェッカーを受けました。
レース2は、完全なウエットレースに。武石選手は転倒したライダーを避けるためにコースアウト。酒井選手と寺本選手は、BMW同士でテールトゥノーズの好バトルを展開します。数周におよぶ接近戦の結果は、マイナートラブルを抱えた酒井選手が徐々に後退。一方の寺本選手は、ラストラップに入るメインストレートで前方のライダーをパスするも、直後のS字コーナーでフロントからスリップダウンし、リタイアとなりました。
年間ランキングでは酒井選手11位、寺本選手14位、武石選手28位(3レーススポット参戦)という成績です。
フォトTOPICS(写真点数/23枚)
『CONFIA Flex Motorrad39』 酒井大作選手
【予選を終えて】
「木曜日のフリー走行はドライコンディションで良いイメージの走行ができました。今回のターゲットタイムは、2分8秒台です。この8秒台を目標にセッティングを進めました。しかし金曜日は午後から小雨になり、路面コンディションが悪化したため、いまひとつセッティングを進めることができませんでした。予選もウエットでしたが、雨の中で出したセッティングが決勝でも生かせるように、とポジティブに考えています。タイムも重要ですが、レースディスタンスを速いペースでしっかり走ることも重要です。決勝は、雨でもドライでもベストを尽くして去年と同様にシングルでのフィニッシュを目指したいと思います」
【決勝レース後】
「レース1は、ウエットからいきなりドライになって難しい路面コンディションでしたが、そんな中でも良いペースをつかむことができました。11位は、S 1000 RRのパッケージを生かした結果だと考えています。レインコンディションに関して我々のチームはテスト不足で、レース2では苦戦を強いられました。また、スタート時にマイナートラブルも発生。周回を重ねるごとに悪化し、順位を落としてしまいました。後ろを走る寺本さんに迷惑をかけるのは不本意だったので、前に出てもらいました。ピットインも考えるほどトラブルは悪化していったのですが、最終戦でファンのみなさんがたくさん応援に来てくれていることを考え、スロットルを開けました。なんとかゴールすることができて本当に良かったと思います。我々のチームのコンセプトは『誰にでも手に入るマシンとパーツで行うレース活動』です。来年もこのコンセプトでBMWファンのみなさまの心に響くレースを継続していきます。応援ありがとうございました」
『CONFIA Flex Motorrad39』 武石伸也選手
【予選を終えて】
「鈴鹿2&4と8耐では、おもに足まわりのセッティングを中心に進めてきました。鈴鹿を走ってきた僕自身の意見が反映され、全部がいい感じでまとまってきているように思います。欲を言えば、昨日、今日とドライコンディションであれば、もっと進めることができたのですが…。自分の役割と立ち位置を考え、少しずつ着実に進めて、最終的にいいレースになれば良いと考えています」
【決勝レース後】
「レース1では、レース人生で初めてフライングをしてしまいました。マシンが少し動いてしまった程度なのですが、ストップアンドゴーのペナルティを受けてしまいました。再スタート後は、マシンの挙動に注意しながら走行しました。レース2は、レインコンディション。雨のレースは本当に久しぶりで、苦手意識のもとでレースがスタートしました。次のメインストレートで前方のマシンを抜くつもりで進入したシケインで、その前方のマシンが転倒。これを避けてコースオフしてしまい、結果を残すことができませんでした。来年はS 1000 RRが待望のモデルチェンジ。動力性能、シャシーともに進化していると聞いているので、今から楽しみです。今年1年『誰にでも手に届くマシンでのレース活動』という僕たちのチームコンセプトにたくさんの方から共感、支援をいただいたことにたいへん感謝しております。今日のレースは結果だけを見ればゼロですが、自分がまだまだいけることを実感しました。今年の良いところだけを持って帰って来年につなげたいと思います。応援ありがとうございました」
『Team Tras 135HP』 寺本幸司選手
【予選を終えて】
「走り始めのセッション1で、このバイクで走った鈴鹿のベストラップを軽く上回ることができました。今年全日本を転戦してきたシーズンの集大成として、マシンがまとまってきていることを証明できたと手ごたえを感じています。岡山国際サーキットでのセッティングからの変更点はほとんどありません。このセッティングで2分10秒の壁を越えるために頑張っています。予選はドライコンディションに恵まれず残念でしたが、ドライでのセッティングが決まると雨でも良いセッティングを出しやすいことがわかっていたので、問題ありませんでした。ただ、タイヤのマネージメントに関して難しい部分があり、ピットインをくり返して微調整を施しました。そして最後にアタックをかけたのですが、若干のトラブルが発生し、タイムアタックを断念せざるを得ませんでした。それでもウエットでの2分25秒台、17番手という結果は、決して悪いものではないと考えています。決勝では、いい走りをして今年のベストリザルト、ベストタイムを出せるよう考えていますので、応援をよろしくお願いします」
【決勝レース後】
「レース1は、スタートがあまり良くありませんでした。周りのペースがまちまちで少し引いたところ、ポジションを落としてしまいました。僕のマシンはウエットパッチに乗ると大きくスライドするため、なかなかペースを上げることができませんでした。それでも14位でフィニッシュできたことは、悪くない結果だと考えています。欲を言えば、もう少しうまくアジャストできると良かったと思いました。レインコンディションのレース2では、予選で雨のデータをしっかり取っていたので、すぐに対応することができました。それに加えてグリッド上でも調整したことが功を奏し、非常に良いレースができました。タイム的にもレインのベストタイムを3秒更新することに成功。少し自信もあり、手ごたえを感じながら走行していました。しかしながら、少しプッシュしすぎてS字の2つ目でスリップダウン。転倒してしまいました。今回のレースは、今年1年の集大成としてまとめ上げたつもりです。満足はできないのですが、これが今年の結果だと考えています。チームのみんなやファンのみなさんに『集大成の走り』を見せることができたと自負しています。最終周にリタイアしてしまい、ランキングを落としてしまったことはとても残念です。来年も引き続き、このチームでレース活動を続けていく予定です。さらなるセットアップとブラッシュアップをして、さらに上位の結果を残したいと思います。応援ありがとうございました」
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