よくあるトラブル事例
- 掲載日/2008年07月18日【海外ツーリングのススメ】
- 執筆/道祖神 菊地 優
今回でいよいよ最終回
よくあるトラブル事例
こんにちは、道祖神の菊地です。いよいよこのコラムも今回で最終回。短い間でしたが、お付き合いいただき本当にありがとうございました。さて、今回はラストですから海外ツーリングで起こりがちなトラブル事例を紹介しましょう。日本とは雰囲気の違う異国の地では、ベテランライダーの方でもうっかりとやってしまいがちなトラブルですので、海外ツーリングを計画している方は十分注意してください。
便利なパニアケースが
トラブルの原因に?
まず最初にご紹介するのは、BMWの話になりますが、パニアケースのトラブルです。弊社が主催するヨーロッパのツアーでレンタルするBMWは、全車基本的に左右のパニアケースを装着しています。ご存知の方も多いと思いますが、BMW製パニアケースは容量も大きく非常に便利。車体に合わせた専用設計であることが多く、スタイリッシュにロングツーリングをこなすためには欠かせない装備と言っても過言ではありません。ところが、それがトラブルの原因になる場合があるのです。
両サイドのパニアケースを装着すると、バイクの車幅がかなり拡がります。ですから、「駐車場などでは、パニアケースの幅を考えて停めてくださいね。過去何度かポールにぶつけたり、隣のバイクにぶつけたりしていますので!」と出発前にツアー参加者の皆さんに何度もご案内します。それでも毎年決まって1度や2度は、パニアケースをぶつけてフックの部分を破損してしまうトラブルがあるのです。正常に機能していれば、大量の荷物を飲み込んでくれるパニアケースはとても便利な装備ですが、ひとたびフックを破損してしまうとこれほど邪魔な物もありません。日本の環境では、パニアケースを付けて走ることに慣れていない方も多く、よくあるトラブルの一つです。サポートカーが同行するツアーならまだ良いのですが、単独でツーリングする場合は本当に気をつけてください。
普段と違う環境では起こりうる
ガソリンに関係するトラブル
さて、もうひとつ頻繁に起こるのがガソリンに関係するトラブルです。とは言っても、単純なガス欠の話ではありません。通常、ヨーロッパのガソリンスタンドはセルフ方式です。そこで、ツアーでは参加者ご自身でガソリンの補給をしていただきます。ところが、過去2回DIESEL(軽油)を入れた方がいらっしゃいました。いかにBMWといえども軽油では走りません(笑)。ヨーロッパのガソリンスタンドでは、日本同様に油種はSUPER(レギュラー)、SUPER PLUS(ハイオク)、DIESEL(軽油)に分類されています。給油する場合は落ち着いて油種をよく確認し、必ずSUPER又はSUPER PLUSを入れてください。
この誤給油トラブルの1回目は、もう10年ほど前のことでしょうか、キャブレター仕様のベーシックモデルR100Sで起こりました。参加者の方から「菊地さん、ブスブスいって全然吹けなくなっちゃったんですけど…煙もすごく出るようになって…」との報告がありました。一瞬、「焼き付きか?!」と焦りましたが、プラグを外して点検していると、何やら軽油の臭いがします。「まさか…」と思い、先ほど給油したガソリンスタンドの領収書を見せてもらうと、何と「DIESEL」と書いていあるではありませんか! 仕方なく、タンクやキャブレターを外して軽油を全て廃棄。他のバイクから取り出したガソリンでキャブレターやタンク内部を洗い再始動。無事エンジンが掛かり、事なきを得たという事件がありました。
次の誤給油事件は今から2年ほど前、サービスエリアに集合していたときに起こりました。そこで参加者の皆さんが各自給油を行っていたのですが、ふと気が付くと「DIESEL」の前に立っている方がいるではないですか! 慌てて「そこはディーゼルですよー!」と叫んだのですが、時既に遅し。5リッターほど軽油を入れた後でした。こうなると大変。近年のBMWはインジェクションを採用しているので、ガスを抜くのにも一苦労です。キャブレター車のようにドレンを外して軽油を捨てるなんて事は出来ません。まず、トルクスレンチでタンクカバーを外し、それからタンクを外し…とにかく大変な思いをしました。今となっては懐かしい思い出ですが、時間を相当ロスすることは間違いありません。ヨーロッパ・ツーリングを計画している方は十分注意してくださいね。
それでは何時の日か
ヨーロッパでお会いしましょう!
極上のツーリングを楽しめる、弊社のヨーロッパBMWツーリング。このコラムを読んで興味を持った方はぜひご参加下さい! 必要なのは、パスポートと国際免許だけ。どなたでもご参加いただけますので、お待ちしております!それでは何時の日かヨーロッパでお会いしましょう。
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神奈川県横浜市生まれの49歳。1980年9月に道祖神に入社し、バイクツアーの企画業務をこなしながら多くの国を訪問している。現在その数は163カ国、通算の滞在日数は5000日に及ぶという旅の達人
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