BMW Motorrad バイカーミーティング 2009 in 白馬
- 掲載日/2009年08月05日【トピックス】
- 取材協力/BMW Motorrad Japan 写真/VIRGIN BMW×BMW BIKES編集部 取材・文/田中ゼンスケ
BMW Bikermeeting会場『Hakuba 47』へ到る道。日本のほぼ中心に位置する白馬村へのアクセスは、北から来ても西から来ても快走ルートがたくさんあり、参加者はツーリングがてらやってくる。そして最終的に国道147号を折れ、この無数のBMW Motorradのノボリが立ち並ぶ農道へと到る。ここまで来ると会場はスグそこだ。
毎年恒例となったメーカー主催のビッグイベント
日本の中心に集まったBMWバイク群をキャッチ!
2004年、北海道で第1回目を開催してから今年で6回目を迎えた、BMW Motorrad Japan主催の『Bikermeeting 2009』。第2回目以降は場所を日本の中心である長野県の白馬村に移し、毎年多くのライダーが訪れる恒例のビッグイベントへと成長しました。メーカー主催でありながら『GSチャレンジ』同様、他メーカーもウェルカムというフトコロの深いスタンスがライダー間に浸透し、会場脇の広大な駐車スペースにはさまざまなメーカーのバイクが並びます。
今年はお天道様の笑顔を見ることはなかったものの、昨年までの痛いほど照りつける太陽の陽射しに較べたら、暑くもなく寒くもなく、逆に過ごしやすい2日間でした。白馬の青々とした大自然に囲まれ、アウトドアの開放感と澄んだ空気の気持ち良さを全身で味わえるなら、降り注ぐ雨粒なんて気にならないものです。そんな真夏のお祭りの様子を、まずはフォトギャラリーでお楽しみください。
BMW Motorrad Bikermeeting 2009 in HAKUBA
- 主催/BMW Motorrad Japan
- 開催期間/2009年8月2日(土)~3日(日)
- 開催場所/長野県北安曇郡白馬村神城24196-4 Hakuba 47 Mountain Sports Park
フォトTOPICS(写真点数/29枚)
01田んぼのど真ん中の『BMW Motorrad 街道』を進むと「ついに来たぞ~!」と心躍る。これだけたくさんの目印があれば迷う心配も無く、また参加者の気分を自然と盛り上げてくれる。イベント主催者の心ばかりのもてなしだ。
02続々と山を登ってくるBMWバイクたち。右手には大自然が育む清流、そして左手に『Hakuba 47』のアーケードと、BMW Motorradのロゴが目に飛び込んでくる。参加者にとっては目的地に到着してホッとする瞬間だ。昨晩の豪雨では川のようになっていた道も、今朝はすっかりドライコンディション。
03会場に設けられた広大な駐車スペースは、当然のことながらBMWバイクが大半を占める。ここ数年のニューモデルラッシュには目を見張るものがあるが、20年以上以前に造られたBMWは、今でも変わらずライダーを旅へと誘ってくれる。足場が砂利やアスファルトの駐車スペ-スには、ライダーが安心してスタンドを立てられるよう板が置かれ、エントランスに近い場所は女性ライダーが優先。
04受付を済ませてイベント会場へ足を進めると、まずはBMW Motorradのニューモデルとライダーイクイップメントの展示スペースに。どのモデルも実際に跨って感触を確かめることができ、憧れのBMWと記念撮影をする人や、購入前提でじっくり吟味する人など、ここは笑顔と神妙な面持ちが入り混じる空間に。
05ここへ集まるライダー(予備軍やタンデマーも)が見たいのは、やっぱりBMW。なにかアトラクションがあるときはそちらへ流れるものの、結局この展示スペースに戻ってくる。ただ跨るだけなのに、仲間とワイガヤするのがとても愉しそう。Bikermeetingの開催期間中、この展示スペースは終始来場者で賑わっていた。
06展示車両のなかでも今年の目玉のひとつとなっているのが、BMW Motorradが最新の技術と莫大な開発時間・コストを投入して創り上げたスーパースポーツマシン『S1000RR』だ。すでにSBKで好成績を叩き出しており、その市販バージョンがここ白馬に上陸。ツーリングとは対極にある存在であり、BMW Motorradの歴史は数々の世界選手権にその名を刻んできたメーカーだという証でもある。
07最新のスーパースポーツマシンと並んで展示されているのは、往年のレーサー『R69S』。愛知県のミュンへナー専門プロショップ『ボクサーショップ』の協力により、貴重な車両(適所にモディファイ、ファインチューンを施した現役モデル!)を間近で見ることが出来る。
08会場の一角に設けられた試乗スペースでは、なんと前日メディア向けに発表されたばかりで、9月5日に発売を控えたニューモデル『F800R』の一般向け試乗会が行われた。エントリーユーザーはもちろんのこと、中型以上・リッター未満のミドルクラスに面白味を覚えるライダーにもじゅうぶん応える仕上がり。試乗者はみな気持ちよさそうにその感触を確かめていた。
09こちらは毎年多くの参加希望者で大盛況の『フルラインナップ大試乗会』。白馬の快走路を試乗ルートに設定し、ショートツーリング気分で、気になる現行モデルを走らせることが出来る。
10人数に限りがあって毎年すぐに定員オーバーとなってしまう、大人気の『山岳GS試乗会』。ゲレンデ脇の林道を走るオフロード試乗会だ。試乗車が用意されているが、自身のGSでの参加も可能。林道の先には行った者にしか味わえない、雄大な景色と爽快な空気が待っている。
11ランチタイムになると、特設ステージの上では『信州そば早食いコンテスト』が始まる。場内を走るミニSLでの出前の演出がユニーク。300円でおいしい地元のお蕎麦が食べられるとあって、競争ではなくフツーにお食事する人がほとんど。なんとも和やかなコンテスト。
12Bikermeetingの隠れた名物と言えば、白馬村観光局提供による『白馬豚の丸焼き』。じっくりと炭で焼かれた豚の丸焼きは、一度味わうと忘れられないクセになる美味しさ。しかも無料。毎年長蛇の列が豚一頭を消化する。
13毎年サプライズイベントが用意されるBikermeetingだが、今年もまたスゴイ人たちを呼んでくれた。大人から子供まで、見る者の度肝を抜いた『凄い!バイクパレード by 伏見テクニカルセンター』のパレードランは圧巻の一言。教習所の教官たちが交通安全活動の一環として、バイクを巧みに操る妙技を披露してくれた。しかもこの日はじめて乗ったというF800Rで!
147台のF800Rがぴったりと息を合わせた隊列走行やスラロームはじつに見事。また対向スラローム、サークルを描くバイクの中を一直線に駆け抜けたり、一列に並んで走るバイクをパイロン代わりに、それに向かって走るスラロームなど、とにかく“凄い”バイクパレードだ。教習所内で撮影した動画をインターネットを通じて発信しており、すでにもの凄いアクセス数で話題を呼んでいる。
15毎年恒例の『ヒルクライムコンテスト』も観衆を沸かせるイベントのひとつ。夏のゲレンデを一気に駆け上がり、そのタイムを競うというもの。今年は連日の雨で地面が緩み、草はツルツルとタイヤを滑らせる厄介な状態。歩いて登るのもかなりキツイ斜面だ。ま、ゲレンデなので当然と言えば当然。
16スタート直後で前に進めなくなり、転倒する場合がほとんど。今年のGSチャレンジではHP2 Enduroを駆って優勝したライダーでさえ10mくらい先でこの有様。重量級のアドベンチャー、しかもツーリングタイヤでは前進することすらままならない。でも、そうとわかっていながらチャレンジすることが、このヒルクライムの愉しみ方でもある。
17エンデューロタイヤで果敢にチャレンジしたものの、傾斜がきつくなるとその巨体はあっという間に推進力を失ってしまう。それでも登り続けるにはかなりのテクニックが必要だ。急斜面で転倒した場合のリカバリー方を直接見たいなら、このヒルクライムは間違いなくためになるだろう。
18ついに初登頂者!ボクサーエンジンのGSでゴールできたのはこのライダーのみ。遠くゲレンデの下から見守る観衆からは大きな歓声が上がった。
19こちらは惜しくも4~5m手前で転倒してしまった旧型のGS。車体を起こしたものの、残りほんの数メートルが登れない。それくらい厳しい状況なのだ。サポートスタッフがヘルプに向かうが、そこへ駆け上がるまでにもうグッタリ。
20続いてシングルモデルの出番。『G650Xカントリー』は一気にゲレンデを駆け上がり、余裕で登頂成功。とは言っても、このようなコンディションで大きなくぼみを避けながら車体をノンストップで上まで持っていくのは至難の技。ここからはいかに転ばずに、ではなく、いかに速く駆け上がるか、というコンテストらしい雰囲気に。
21ついに出た、BMW生粋のスポーツ・エンデューロ・マシン『G450X』を駆るライダーたちの番。順を追うごとにベストラップが叩き出され、この長い急斜面をわずか10数秒で駆け上がってゆく。いままでのボクサーエンジンGSクラスのチャレンジは一体ナンだったんだろう? と思ってしまうほど軽々と登ってゆく。ある意味ズルい。
22『ヒルクライムコンテスト』の後は今年の目玉アトラクションのひとつ、プロエンデューロライダーたちによる『G450Xデモンストレーション』が行われた。軽々と駆け上がる姿はさすがプロ(失礼)! フロントアップしながら10秒を割るタイムで登頂。またこの急斜面を下ってくる姿も余裕のよっちゃん。
23全日本モトクロス、および全日本エンデューロの両選手権でチャンピオンを獲得した小池田選手(DAN Racing)も快走を披露。今年からBMW契約ライダーとしてG450Xで活躍中だ。東京モーターサイクルショーでBMW Motorradブースに展示されていた車両はまさにコレ。
24小池田選手と太田選手(TEAM RABBIT with ACCERBIS.com)のヒルクライム競争。一般参加者の走りを見ていると、急斜面ではどうしても前のめりになりがちだが、プロの走りはリアにしっかりトラクションをかけるため、シート後方に身体を置いて荷重は地面に対してほぼ垂直。これがグイグイ登っていく秘訣か!?
25夜の帳が下りる頃、野外特設ステージでは白馬村の歓迎太鼓が披露され、土曜夜のパーティのオープニングを演出してくれた。大自然の中で聴く和太鼓のサウンドは、どうしてこうも身体に響くのだろう?
26土曜日はお昼過ぎから雨が降ったりやんだりというお天気で、夜になっても相変わらず。星空の下で予定されていたバーベキューは大型テントの下へと移され、用意されたお肉や野菜、それにアルコールも入って大賑わい。これから運転する必要も無いので安心してアウトドアを満喫できる。
27一方こちらはキャンプ組。気の合う仲間と静かに夜の宴を愉しむというのもまた一興なり。Bikermeetingでは、参加者それぞれが好きなスタイルで集い、遊び、過ごす場を提供している。メーカーに囚われず、バイク乗りとして愉しい時間を共有することこそが、BMWというメーカーのスタイルなのかもしれない。
28日曜日になってもあいにくの雨、にもかかわらず、会場に足を運ぶライダーは途絶えることがなかった。それもBMWに限らず、というところがこのイベントのスタイルを象徴するかのようで、国産・輸入車・新旧さまざまなモデルが往ったり来たり。それを見ているだけでも、バイク乗りとしてはじゅうぶん面白い。
29集まったBMWのなかで、とくにどのモデルが多かった、という印象は無かったものの、やはり旅のシーンではGS、それも「陸の王者」アドベンチャーの風格が際立ってしまう。来場者は各々のバイクに跨って帰路に就く。そしてまた来年、この白馬にやってくることを誰もが愉しみにしているに違いない。
- 【前の記事へ】
知っておきたい応急処置「主要車種別ジャンプスタート」編 - 【次の記事へ】
試乗レビュー写真速報 F800R
関連する記事
-
トピックス
激闘の鈴鹿8耐2018/BMW勢の戦いを振り返る