VIRGIN BMW | ESA編 BMWバイク テクノロジーガイド

ESA編

  • 掲載日/2008年07月29日【BMWバイク テクノロジーガイド】
ESAの画像

手元操作でプリロードと
ダンピングの設定変更

2004年、BMWはモーターサイクル用として注目すべき機構を発表しました。それが今回ご紹介するESA(Electronic Suspension Adjustment)です。これは、サスペンションの電子調整機構で、ボタンひとつでサスペンションの特性を調整可能とするもの。モーターサイクル用としてはBMWが初めて実用化し、K1200Sにオプション設定、以後現行Kシリーズ、Rシリーズ各車に採用されました。

ESA最大の特長は、前後サスペンションのプリロードとダンピングをハンドルバーのボタン操作により調整できることです。具体的にはリアサスペンションのプリロードと圧縮側・伸び側のダンピング調整、フロントサスペンションの圧縮側ダンピング調整が可能です。

また、走行中でもダンピング調整が可能なのもESAの特長です。この機構の実用化により、刻々と変化する走行条件に合わせて、ライダーが快適性やスポーツ性を調整できるという理想的なサスペンション機能が実現したと言えるでしょう。

シンプルな操作方法と
走行中も調整可能なダンパー

操作方法も極めてシンプルです。まず、ライダーはサスペンションの荷重状態を3つのモード(ライダーのみ、ライダーと荷物、ライダー+パッセンジャーと荷物)からボタン操作により選択します。するとシステムがリアサスペンションユニットに装着されている電気モーターを駆動し、指定のプリロードにセッティングします。

さらに、走行条件やライディングスタイルに合わせて、コンフォート、ノーマル、スポーツの3モードからダンパーセッティングを選択します。すると電子制御ユニットがモーターサイクルのセントラルエレクトロニックシステム(CES)にプリセットされているパラメーターを参照しながら、小型ステップモーターを作動させ、最適なダンピングレートにサスペンションを設定します。

つまり、3種類のプリロード設定と3種類のダンピング設定により、全部で9種類のサスペンションセッティングがあらかじめ用意されており、この中から適切なセッティングをライダーは選択できるのです。

進化を続けるESA
オフロード用モードを追加

そして2008年、ESAは更なる進化を遂げました。これは新型R1200GSおよびR1200GSアドベンチャーに搭載された「エンデューロESA(Offroad ESA)」と呼ばれるもので、従来のプリロード3モードに加えて、オフロード走行用のプリロード2モードが追加されたものです。

ダンピング設定は従来通りの3モードですが、追加されたプリロード2モードを組み合わせることで、オフロード走行用のサスペンションセッティング6パターンが追加されたことになります。これにより、オフロードにおけるサスペンションの作動性や路面追従性が向上したことはもちろん、オフロード用プリロードを選択することで車高をが最大20ミリアップさせることも可能となり、GSの走破性自体も高まっています。

これからもニューモデルの登場に合わせてESAは進化する可能性を秘めており、今後も目が放せないシステムと言えるでしょう。

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