VIRGIN BMW | ボクサーエンジン編 BMWバイクエンジンガイド

ボクサーエンジン編

  • 掲載日/2006年02月12日【BMWバイクエンジンガイド】
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悪条件ほどその真価を発揮する
ボクサーというモンスター

1923年の登場以来、基本的な設計に変化なく80年以上もの歴史を駆け抜けてきた「驚異的な」というに相応しいエンジン、それこそが「ボクサー」だ。

シリンダーが左右に突き出したエンジンを、一般的な横置きではなく『縦置き』に搭載。さらにはクラッチ、ミッションをエンジンケース内に収め、シャフトで後輪を駆動させるという当時では信じられないような画期的なレイアウト。小さく、軽く、低重心…航空機メーカーであったBMWらしい質実剛健な空冷エンジンだ。

別名「コンパクト・ドライブ」とも言われるボクサーの性能は、当時、路面が充分に整備されていなかった世界の名だたるレースで輝かしい戦績をあげ「悪条件ほど強みを発揮する」と謳われたことからもうかがい知れるだろう。ベテランほどボクサーを選ぶのも頷ける。

性能を使い切れる喜び
ボクサーには確かにそれがある

ボクサーの強みは、他のエンジンと比べて低重心であること、また左右に広がる2つのシリンダーの卓越した安定性に尽きる。ちょっとコーナーを曲がっても、その低さの恩恵を実感できるだろう。なんとも自分が上手くなったように感じさせてくれるのだ。次のコーナーが待ち遠しい、そんなエンジン。

安定性のメリットは、それだけではない。高速クルージングでもその恩恵を感じられる。高速で走っているとき、少しの不安定がライダーを不用意に恐怖させることがあるが、ボクサーは違う。まるで地面を這うような安定感で私たちを、遠い目的の地まで運んでくれる。高速道路をこれほど快適に走らせてくれるエンジンはそうはない。もちろん、快適だけがボクサーのウリではない。その独特な鼓動感は、走る楽しさを充分に感じさせてくれる。

ボクサーは決して速くはないが
それを補って余りあるものがある

はっきり言っておきたいことがある。ボクサーは決して速くはない…ということだ。出力だけで考えると、当然ながら日本車や「ドゥカティ」に軍配があがる。またBMWでもボクサーではなく大型水冷4気筒の「Kシリーズ」に劣る。

しかし、考えて欲しい。なぜあなたは「BMWの中でも『ボクサー』に興味を持った」のか。私たちが本当に共感するのは極端な性能ではなく、快適な走行フィーリングであり、安全性能であり、そしてメーカーが製品に込めるプライドではないだろうか。

「エンジンを中心に安心を追求し、ライダーには走行を全力で愉しんでもらう」という80年以上にわたり貫かれてきたBMWの哲学。あなたが「どこまでも走りたくなるような」エンジンを求め、「走る楽しみを味わいつくしたい」ならボクサーは、最善の友となってくれるだろう。

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